新宴なるesportsの世界

世間的にまだ認知の低いesportsについてわかりやすく、でも奥深い世界の一端を説明できればと思っています。

esportsを盛り上げる関係者 - その2

今日は前回に引き続きesportsを盛り上げる関係者として、esportsといえば欠かせないチームと選手の紹介をしたいと思います。

 

チーム

ゲームとしては個人単位で遊べても、esportsへの参加はチーム単位となっていることが多いです。もしくはどこかのチームに所属していることもあります。もとがコミュニティ大会起点のStreet Fighterなどでは個人としての参加が多くを占めますが、Clash Royaleのようなスマホゲームでもクラロワリーグとして2018年にプロリーグを設立しましたが、2017年までの個人で参加する戦いからチーム単位で戦うフォーマットになっています。

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                              Copy right: Spercell

 

またPUBGのようなバトルロワイヤル(最終的に1人が勝ち抜け)でもチーム単位での戦いとなっている。これらのチーム戦重視の理由は、esportsとして戦略性やチームワークといったものを視聴者に届けるためです。また、ゲームにそれを活かす土壌があること(例えばクラロワの協調プレイ)が大きく影響を与えていることも否定できません。

 

チームを運営する側のモチベーションはゲームのプレイヤーに活躍の場を与えたいと思っている人が多いです。また、その流れからesportsを盛り上げたいと思っている運営者も多いです。筆者としてはesportsを盛り上げるというよりも、ファンを大事にすること、チームを強くすること、チームの経営基盤を整えること、の3点に注力することが基本だと思っています。いくつかのチームはこの3点が整いつつあるようですが、多くのチームはまだ道半ばです。運営側(特にオーナー)には二つのタイプの人がいて、ビジネス経験が強いオーナーと、ゲームプレイヤー経験が強いオーナーがいます。ビジネス経験が強いオーナーはファンを大事にすること、および経営基盤を整えることに優れていることが多いです。一方で、ゲームプレイヤー経験が強いオーナーはプロプレイヤーの気質を理解し、メンバーを集めてチームを強くすることに長けていることが多いです。

 

チーム運営のメリットは、参入しているゲームのコミュニティの中での知名度の向上であり、それに伴うスポンサーの獲得です。日本でもいくつかの有名なチームにおいてはすでにビジネスとして成り立っています。

 

悩みとしては、今までチームに属したことのないプロ選手の管理問題や、限られたスタッフで先に挙げた3点すべてに手がなかなか回らないことです。伝統的なスポーツのプロチームでもよく見られるように、運営の資本として富豪や企業からでてくる事例を増やし、それによりスタッフを揃えて上記3点の実行ができる体制を築くことがチーム・選手の安定、ひいてはesportsのリーグの発展につながると思います。

 

選手

選手とは実際に試合に出るメンバーと控え、また大規模なチームでは練習生で構成されています。選手のモチベーションとして、日本ではまだ一攫千金を狙うといった選手はほぼいない状況であり、好きなゲームをとことんやれて相手に勝ち、そのうえでお金がもらえるといったところがあげらます。「好きなゲームを存分にやれる」っていうことですね。esportsのプロリーグは始まった時点では明確にプロを目標にしてきた選手は当然ながら少なく、上手かったからプロとなった選手が多いです。しかし、時を経るとともにプロを目標として上がってきた選手が増えることとなり、モチベーションの差が生まれるケースがあります。当然ながら目的意識が明確な選手の方がプロになってから成長していきます。

 

プロ選手となるメリットとしては、先にあげた好きなゲームをとことん極めることにあります。日本では金銭的に恵まれるケースはまだ少なく、  海外では億円単位での年収を得るプレイヤー(英語)が出てきているものの、日本ではせいぜい千万単位です。これはesportsの大会賞金、スポンサーやプロ選手の配信視聴者の違いに起因しています。千万以上もらえれば十分と思う方もいるかもしれませんが、選手寿命が5-7年程度と限られている中ではトップ選手でも千万単位というのは全体的にみて厳しいのかもしれません。

 

平均的なプロ選手が抱える悩みとしては、収入の低さと、引退後のキャリアです。収入の低さは前述したので、引退後のキャリアについて触れると、現在のesportsの状況では解説者やコーチなどは非常に限られており、また、ゴルフのようなレッスンプロとしてのニーズも少ないために、引退した後に元プロ選手の肩書を活かせるケースが非常に少ないです。多くの場合、就職活動をしていわゆるサラリーマンになります。トップのプロ選手においても、海外では解説・コーチだけでなく配信者として生計を立てる道もありますが、日本ではごく稀なケースです。例えば元プロ選手で現在世界で最も有名な配信者であるNinja氏は月に5000万円以上収入があるといわれている。記事はこちら。

 

さて、昔よくプロゲーマーになりたいけど、どうしたらいいですか?という質問をもらったことがあるので、プロ選手を実際に見ていて感じたことを最後に付け加えておこうと思います。プロ選手として自分を高めていくにはゲームの上手さだけでなくいろいろな要素があるのですが、一つだけ早い時期から意識しておいてほしいことは、

  • コミュニケーション能力を高める

ことです。チームとして活動していればお互いのコミュニケーションは必須ですし、プロ選手としてスポンサーやファンの獲得にもコミュニケーションはとても重要です。実際チーム活動を見ていても選手のコミュニケーション能力が高ければ(練習)試合後のミーティングなども効果的・効率的に行えるので、チームが強くなります。また、スポンサーやファンも「話せる」選手により多くつく傾向があります。プロ選手を目指す方はぜひコミュニケーション能力も磨いておいてください!